お悩み相談
サラリーマンの方の心療内科
サラリーマンの方のこころの不調
1 職場の環境が大きく変化したとき
新卒で採用された方や中途採用となられた方、また部署異動となられた方などは、新しい環境に慣れるまで時間がかかることと思います。ただでさえ慣れない環境で緊張されておられる中、新しいことを覚えるのに誰しも時間がかかりますし、周囲の人に悪く思われないように気をつかいすぎて疲れる方も多いのではないでしょうか。また、人手不足や働き方改革の悪影響により時間内の業務が高密度・高負荷となり不調をきたす方や、サービス残業をせざるを得ない方もおられます。帰宅後は、クタクタで動けなくなるほど疲れておられる方もいらっしゃるかと思います。そのような日々が何日も続いてしまうことによりこころの不調をきたすことがあります。
2 上司や部下からのパワーハラスメント
以前ほどではありませんが、職場の上司からの言葉によるパワハラはまだ、現代日本で根強く残っています。「暴言」や「できないほどの仕事を任せる」のはよく知られたパワハラですが、他にもよくあるのが「大勢の前での叱責」や「仕事を十分な理由もなく回さない」、それから「無視」も立派なパワハラの一つです。最近では、部下が上司に対してパワハラを行うケースもあります。この結果、こころの不調をきたしてしまいます。
このようなハラスメントによりこころの不調を感じた際は、一人で解決しないことが大事です。まず家族やプライバシーを保持できる親しい同僚に相談します。誰かに話すと少し楽になります。そして、会社に相談窓口があれば、そこへ相談するか、さらに上の上司に相談します。職場内で異動ができ、苦手な人から離れられれば、こころの不調は解決することが多いです。
しかし、立場上なかなかやりとりが難しくこころの不調が良くならない時や、職場から診断書を求められた際は、当院へご相談ください。ケースにもよりますが、医学的に妥当な範囲でほぼ当日診断書を発行いたします。十分な休養をとることで速やかに回復される方がほとんどです。必要に応じて治療薬を処方することもできます。
サラリーマンの方がこころの不調を感じたときにできる対処法
まず、悩みを感じたときは、やはり誰かに話すこと。家族か、親しい友人や同僚がいらっしゃれば、ぜひ話してみましょう。話すだけでもだいぶ違います。
そして、体調管理を行いましょう。食事は三食できるだけ取るようにし、夜は少しぬるめのお風呂でリラックスするとよいでしょう。次の日に職場でやる大きなテーマを簡単でよいので頭の中でまとめたら、早めに睡眠をとります。
ここから睡眠の話をします。睡眠は疲れたこころとからだを回復させるのに最も効果的なものです。特に、深い睡眠が重要です。一晩の睡眠では、夢をみる浅い睡眠(レム睡眠)と夢をみない深い睡眠(ノンレム睡眠)を交互に何回か繰り返しています。特にこの深い睡眠(ノンレム睡眠)の時に、体の疲れが取れるようにできており、さらに眠り始めにやってくる睡眠もこの深い睡眠です。このため深い睡眠を増やすことはとても大事です。このために、サラリーマンの方が日常生活で気を付けることは、
1 午後5時以降にカフェインをとらないこと。そして、アルコールをとらないこと。
カフェインは、コーヒーや紅茶、緑茶、ほうじ茶、ココア、コーラ、エナジードリンクなどに含まれています。カフェインを含まない、麦茶や水、ハーブティーなどに置き換えてみるとよいでしょう。アルコールは確かに寝つきはよくしますが、浅い眠りを増やしてしまうことからできるだけ控えます。
2 寝る直前2時間以内に熱い風呂に入らないこと。
人は、体が冷めていくときに、眠気がくるようにできています。このため、寝る前に熱い風呂に入るなどして体を温めてしまうと、交感神経が高まり、眠気が吹き飛んでしまいます。
3 明るい蛍光灯や明るいスマホ画面などを寝る前にみないこと。
人間は、暗くなると脳の松果体(しょうかたい)と呼ばれる部分から、メラトニンという眠気のくる物質がでて、入眠に作用します。しかし、現代社会では、夜でも明るい光を浴びることが多くなり、メラトニンの分泌が減ってしまうことが多いです。このため、眠気が来にくくなっている場合は多いです。
これらのように、ぜひ改善させてみてください。それだけで睡眠が良くなったという方も多くいらっしゃいます。
しかし、どうしても眠れない方や、気持ちが落ち込んで、食欲がわかない、不安・焦りや緊張が強い、職場に行きたくないなどの症状を認めておられる場合は、受診が必要です。