うつ病と睡眠の関係

うつ病では80%以上の患者さんで不眠を認めます

うつ病と睡眠の関係

うつ病と睡眠には密接な関係があります。まず、うつ病自体の診断基準の一つとして不眠があります。また、不眠である方は、そうでない方と比べてうつ病の発症リスクが約2倍となります。高齢者の方では寝付きが悪いこと(入眠困難)を訴えている方がうつ病の発症と大きく関係するという報告もあります。また、うつ病患者さんでは、将来不眠になりやすいことが報告されており、うつ病と不眠はともに深い関係があります。

睡眠時間は長くても短くても良くない

睡眠時間が長いほど、また短すぎるほどうつ病や高血圧・高脂血症・糖尿病と関連が強いというデータがあります。日本人の成人の方を対象とした研究では、床についている時間が6時間未満では明らかなうつ病との関連があることが報告されています。

シフト制とうつ病

シフト制勤務の方では、不規則な生活になりがちであり、十分な注意が必要となります。シフト制勤務をしている方で不眠がある場合、うつ病の発症リスクが高く十分な注意が必要です。過去にうつ病の経験がある方や治療の継続を必要とされる方では、できるだけシフト制勤務は避けることが望ましいと考えます。

良い睡眠を得るために大事なこと

昼寝は1時間まで。何時間も取りすぎないようにします。

夕方以降に、喫煙したりカフェイン・アルコールをとったりしないようにします。

寝る直前に熱い風呂に入らないようにします。

床につくのは眠気が来てから。しかし、起きる時間は一定にします。

朝目が覚めたら日光が当たるようにします。

日中に適度な運動をします。

うつ病と睡眠とは大きな関係があります。不眠でお悩みの場合は、上記のやり方を試してみて下さい。それでも、不眠で困っておられる場合や、うつ状態がひどい場合は、どんなに工夫しても自助努力での熟睡は難しいことが多いです。このような場合に、治療を考慮します。お困りの際は、並木メンタルクリニック西川口駅前へお気軽にご相談下さい。