ADHD(注意欠陥多動性障害)
ADHD(注意欠陥多動性障害)とはどんな病?
ADHDでは幼少期から忘れ物やケアレスミスなどの「不注意」の症状、じっとしていられず授業中に立って歩いてしまうなど「多動性」の症状、衝動買いや順番待ちができず唐突に追い越すなど思いついたことを即座に行動してしまう「衝動性」がみられます。ADHDは発達障害の一つです。これらの症状が、幼少期に始まり、成人期になるまで続く場合もあります。多動性については、成人期ではあまり目立たなくなることが多いです。成人期になり、仕事でミスが多く認められるようになり、周囲からの指摘で気づいたり自分で違和感を覚えたりして受診される方が最近では多くなっています。子供のころから、間違いを親や教師から強く叱責され、自信をなくしてしまいがちな患者さんも多くいらっしゃいます。診断する上で重要なことは、この病気は、成人期から始まるものではなく、原則として子供のころから症状が続いていること、また不眠やうつ状態などが原因でミスが生じているなどの場合もあるため、それらを十分に伺ったうえで必要に応じ、心理検査を行って診断します。
ADHDの主な症状
不注意
・スケジュール管理ができない。待ち合わせや期限が守れない。
・1つの物事に集中できず、順序だててやることが難しい。
・必要なものをなくしたり、忘れ物をしょっちゅうしたりしてしまう。
多動性
・じっとしていられず、手足をそわそわと動かす。
・授業中に座っていられず、立って歩き回ってしまう。
衝動性
・衝動買いが多い。
・思いついたことを一方的にしゃべってしまい、話が長くなってしまう。
・順番を守れずに、追い越し周囲とトラブルになる。
・自分の思うようにいかなかったときに、すぐにかっとなり物を壊してしまう。
ADHDの治療方法
まずは、ADHDの診断を行います。うつ病や不眠症といった病でも、頭が働かないためケアレスミスが多くなり、見かけ上の不注意が出現しますが、もちろんADHDではないため、これらの病による症状ではないことを確認します。さらに職場や学校、家庭など2カ所以上の場面で、ADHDの症状が出現していることが診断に必要です。その上で必要に応じて心理検査を行います。心理検査は当院でできませんので、検査のみ連携する医療機関に紹介することもあります。治療をする上で大事なことは、周囲との信頼関係の構築です。患者さんは、不注意や多動、衝動について、親や教師から子供のころから「なぜできないのか」などと叱責を受け、自信をなくしてしまいがちです。このため、まずは安心感が得られるように、周囲も叱責を避け、ともに対策を考えていくことが必要です。例えば、できなかったことができるようになったら、患者さんにごほうびをあげるというのも一つの方法です。さらに症状の程度を診て、程度がひどく日常生活に支障をきたしている場合は、ADHDの治療薬を処方します。ADHDの治療薬は数種類ありますが、基本的には、前頭前野という脳の部位を活性化させることで、不注意や衝動性、多動性を改善させています。効果の出方や副作用についてそれぞれ異なりますので、患者さんと相談したうえで決めていきます。
西川口、川口、蕨、鳩ヶ谷でADHD(注意欠陥多動性障害)治療をお探しの際は、並木メンタルクリニック西川口駅前心療内科・精神科へお気軽にご相談下さい。